山口県下関市で美容室「Colors&Rosso」をはじめ3店舗を経営する稲冨佳明さんが経営者としての自覚を持つようになったのは、11年前に自宅兼サロンを建てたときだったという。

6年間、忙しく働くうちに忘れていた夢「3店舗を経営し、年収は1,000万円、ベンツに乗る」を思い出したのだった。
徐々に上げてきた客単価は、自宅兼サロンをオープンすることで、目標としていた10,000円に到達。
その店もすぐに手狭になって、現在地に移転した。

その後、50坪の大型店舗を2号店としてオープンしたが、大失敗をして借金の返済に追われ、雇用を調整せざるを得ない状況にも陥った。

これを教訓に利益が残せる経営体質を目指し、ヘアケアに特化したサロンとして、現在はスタッフ1人あたり80万〜100万円の売上を立てられるまでにした。
HPのメニューには、これでもかというくらいに多彩なヘアケアメニューが並ぶ。
お客様にはとても選ぶことなどできないメニュー量である。

サロンはカウンセリングと提案を重視。
カウンセリングは「なぜカラーをしたいのか?」「なぜカットをしたいのか?」から尋ねて、悩みを聞き出し、目的を共有することからスタート。
髪質と悩み、目的に合わせてメニューを提案する。なるべく良いものを提案するので、単価も高くなるが、満足度も高いという図式だ。
施術しながらも、一つひとつ丁寧に説明をすることでお客様の納得度を上げている。

スタイリストには、1か月100人を担当し、客単価10,000円の目標を理想として伝えると、あとは本人の裁量次第という方針。
スタッフが自主的に動ける仕組みを創っている。

高単価は一人のお客様に時間をかけられるという点でも好循環。
スタイリストとしての理想を追求する仕事ができるだけでなく、詰め込まなくてよいので身体が楽という利点もある。

完全予約制。次回予約をするとワンランクアップのメニューを割引価格で提供といった工夫もしている。
ヘアケア重視なので店販も年末には1か月200万〜300万円と好調だ。

<取材協力>
Colors&Rosso (山口県下関市)
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