有限会社いちむら（新潟県上越市）の代表取締役である市村浩徳さんは、ヘアサロン「HAIR MORE」３店舗のほかに、親の代から引き継いだ貸衣装店１店舗と、アイラッシュ＆ネイルサロン「I’ll eyelash & nail produced by Hair More」１店舗を経営しています。
経営理念は「三位一体」。もともとはキリスト教の教義を表す言葉ですが、有限会社いちむらでは「お客様、スタッフ、会社が等しく幸福を享受する」という意味で使っています。
市村さんがサロンで働き始めた頃は、お店のためにスタッフが犠牲になるのは当たり前という時代。プライベートな時間はなく、経営者に命じられたことは、例え嫌だと感じても従うしかないという状況で、裏ではスタッフ同士で愚痴を言い合うのをよく目にしていました。
これでは、働くことは単に辛いこと、嫌なことを我慢することになってしまいます。
それでも一生懸命に働いているスタッフもいることに気づき、その働きに応えたい、いい関係を築きたいと考えるようになったそうです。
目指したのは
1.待遇を一般企業に近づけること。
2.カリキュラムを整え、成長の道筋、仕組みをつくること。
3.社員同士の人間関係を良好にして、楽しく働ける環境にすること。
経営者同士の勉強会で、経営改善のための工夫は学ぶことができました。
初めはやり方を変えることにスタッフの反発もありましたが、成功事例をつくることで徐々に理解されるようになり、自身の経営者としての自覚も芽生えると関係性も変化していきました。
今年、アイラッシュ＆ネイルサロン「I’ll eyelash & nail produced by Hair More」をオープンしたことで、ヘアスタイリングを目指したい美容師と、アイラッシュやネイルを極めたい美容師と、それぞれの希望に沿った採用が必要だということにも気付かされた、と市村さんは言います。
今後はさらに組織を拡大し、安定させることが目標です。
今春は新卒10名を採用。異業種の経営者との交流会にも参加して刺激を受けながら、次の事業承継への準備も見据えています。
＜取材協力＞
有限会社いちむら／HAIR MORE（新潟県上越市）
https://hair-more.com/
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