稲葉純子さんは、静岡県富士宮市を拠点に、富士市、静岡市の3市で7店舗を展開する有限会社すみ企画の2代目社長。3年前に母の稲葉澄子さんから事業承継し、代表取締役として活躍しています。

純子さんが、母の経営するすみ企画に入社したのは1997年。
東京の修行先「花形企画」で最低5年、店長まで経験してから帰郷する計画を立てていましたが、体調を崩して2年で連れ戻されたのです。
当初は静岡の別のサロンでもう少し修行をと考えていましたが、母の活躍が目覚しく、受け入れてもらえるサロンが見つからず、残された選択肢として、すみ企画で修行することになりました。アシスタントから他の社員と同様に始めたそうです。

入社当時のすみ企画は2店舗。入社直後に3店舗目を展開と業績を伸ばしていました。
純子さんは、修行した花形企画の経営方法も取り入れて、店舗展開にも貢献。
その後、美容学校で共に学んだ同郷の男性が帰郷するにあたって結婚、すみ企画に入社。
純子さんの結婚を機に5店舗目を展開しました。

承継までの20年の間には、純子さんは個人事業主としてサロン1店舗と、すみ企画のサロンに併設する形で犬の美容室を経営。立ち上げから、すべて一人で行ってみるというトライアルもしました。
この2店舗は、純子さんが代表取締役に就任する際に、すみ企画に併合して現在7店舗です。

すみ企画では、母・澄子さんの「社員は我が子」という考え方が貫かれてきました。
これを純子さんは「社員は家族」として引き継いでいます。母が育てた年上の社員もいるからです。
このうち2人は幹部社員として、母を支え、現在は純子さんを支えているとのこと。
母が会議や研修、締め日などに行っていた、手作りの「社長飯」も引き継いでいるそうです。

承継までに20年をかけ、早くから経営にも参加してきたので、収まるところに収まったという様子が、純子さんの話の中にかいま見えました。
代表取締役は純子さんの夫が良いのではないかという案が浮上したこともあったそうですが、本人が向いていないと辞退。技術部長として組織を支えています。

<取材協力>
有限会社すみ企画(静岡県富士宮市)
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