兼古卓弥さんは、東京都墨田区で理美容サロンNEO Hair3店舗とBARBER-BAR1店舗を経営する株式会社NEOの代表。2013年に40歳になったのを機に経営に専念することを決意し、企業の成長にはブランディングが不可欠と考え、行動しています。
ブランディングには、スタッフを巻き込み、スタッフが役割を理解して主体的に関わる体制づくりという面があります。トップダウンでは行き詰まる、スタッフの力を結集する必要があると考えた結果です。
兼古さんは、これを「ビジョンの見える化」として実行しています。
毎年年始には、全体の目標をたとえば「地域一番店」と掲げ、各店舗のスタッフにそれぞれの店舗の目標、目標を達成するためにとるべき行動を「一花五葉シート」を使って具体化するというもの。
各店のマネージメントスタッフは合宿にこれを持ち寄り、模造紙2枚分の大樹を描いて事務所に張り出し、達成した「葉」には「花」を付けて、進捗が誰にも見てわかるようにしているそう。
ここには会社の売上目標なども具体的な数字を掲げています。
さらに経営コンサルティングの大御所・船井総研に依頼し、3年間で1000万円をかけて、新卒スタッフを年に10名採用できる体制を整えました。
新卒採用で伝えているのは、株式会社NEOの当たり前が「明るく、元気で、素直」であること。全国の理美容学校と太い繋がりを持ち、就職ガイダンスに参加することで、10人の採用枠に50人が応募、書類選考で20人に絞り、面接で10人を選べる状態になっているとのこと。
新人育成のために、一時期、1店舗をNEO colorとして地域の需要に応えながら早期育成を実現する施策とし、成功した実績もあります。
利益のすべてを投資して学び取ったことは、タダで仕入れた知識とは格段の違いがあったと兼古さん。
NEO colorは現在、SPCグローバルが推進するBARBER-BARブランドにリニューアル。株式会社NEOは今年50周年なので、ブランディングを活用して、ここからは社員数100人の100年企業を目指していくとのことです。
明確な経営理念とビジョンを持つ企業のこれからが楽しみですね。
<取材協力>
NEO Hair/株式会社NEO(東京都墨田区)
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