椎原誠二さんは、大分市で「美容室Ravi」をはじめ、ネイル専門の「Just Nail」、「やっぱりステーキ」2店舗を展開する経営者。「貧乏を脱却したい」と奮闘する波乱万丈の日々、持ち前の行動力と縁に助けられて今に至ります。

美容室Ravi本店と郊外の2店舗目の経営を軌道に乗せたところで、次に椎原さんが目をつけたのはネイルサービスでした。
美容室経営は、美容師の人数次第です。美容師求人難に対する打開策でした。

新たに雇用したスタッフを東京のネイル店に相談して1ヶ月の研修に出し、初めはRaviの一郭でサービスをスタート。次に郊外型ショッピングモールにもコーナーを借り受けて出店したところ好評で、モール内に1店舗を構えることができました。

ステーキハウス「やっぱりステーキ」は、出張で訪れた沖縄発祥の店。
深夜12時に行列ができている店が経営者としてのアンテナにふれ、人伝てに社長の連絡先を聞き出して、会ってほしいと直談判しました。
アポイントを取るまでが大変でしたが、会ってみると意気投合。フランチャイズ1号店を大分に出店することができました。

しかし、美容室とは業態が違うので戸惑うことも多かったとか。さらにコロナ禍で「やっぱりステーキ」も打撃を受けました。
そんな中でも、フランチャイズの2号店・3号店が東京にオープンして、マスコミにも取り上げられたことが追い風となっています。郊外型ショッピングモールから2店舗目出店の打診を受けてオープンを果たしました。
実は1000万円の損失を被るトラブルもあったのだそうですが、美容室の内装を最初に依頼して以降、長い付き合いを続けている工務店が、2店舗目の厨房設備1000万円相当を中古ながら50万円ほどで手配してくれるという幸運にも恵まれたとのこと。

さらに、美容室は1店舗目を従業員も含めて、離婚した妻に譲渡。
郊外型の2店舗目は道路の拡張工事にかかって移転を余儀なくされていたところ、同じく内装業者が居抜きで状態のよい美容室をタダ同然で紹介してくれるという幸運にも恵まれました。

「まだまだどうなるかわからない」と、椎原さんは言いますが、ここぞという時には直談判で事態を打開する行動力、利益追求に邁進する情報収集力と決断力、そして何より、人との縁を大切にする姿勢で幸運を呼び込む力があり、これからの展開も楽しみな経営者の一人です。
ちなみにプライベートでは、2人の子どもと妻と、幸せな家庭生活を送っているとのこと。
ここまでの人生を総括すれば、10代がどん底、20歳で美容師になる覚悟を決めてからは、いろいろあっても、ずっと上り坂だそうです。

<取材協力>
美容室Ravi(大分県大分市)
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