愛知県岡崎市で、Cube岡崎井田店、ルシードスタイルキューブ岡崎百々西店、髪質改善arms cube、Cube Nail岡崎大樹寺店の4店舗を運営している株式会社Cube。代表の馬場吉孝さんは、客単価を上げながら、客数も伸ばすという好循環を生み出しています。

馬場さんは、スタッフに喜んでほしくて福利厚生を充実するために、客単価を6000円から8500円に上げる決断をして、2段階構えの作戦を実施したのだそうです。

客単価が低い理由は、カット・カラーの利用が多いためです。
そこで馬場さんは、トリートメントの利用を促すことを考えました。
トリートメントなら技術の習得に時間を要することなく、知識だけでよいので、アシスタントが稼働するからです。
しかし、スタッフがお客様に追加メニューを勧める文化がなく、言い出せません。
お勧めしたら嫌がられるのでは?と不安を口にしました。

それならと、トリートメントのお試しチケットを作りました。
トリートメントの価格は3500円。5枚綴りのチケットは1回目が50%OFFの1750円、2回目が40%OFF、3回目が30%OFF、4回目が20%OFF、5回目が10%OFFとなっていて、使うと切り離していくというものでした。

お客様は、50%OFFなら一度試してみようという気持ちになり、試してみると、すごくよいという反応。お客様が喜ぶので、スタッフの自信につながりました。

既にトリートメントを利用していたお客様にもチケットをお渡しすることにして、スタッフの懸念材料を無くすと、スタッフが自主的にチケットを渡すようになりました。

次に作ったのが、縮毛矯正のチケット。やはりアシスタントにできる仕事です。このチケットは縮毛の悩みが増す梅雨時に渡して、お客様が利用、売上UPにつながりました。

さらに、チケットの利用が20%まで進むとサービス離れが起きると想定して、セットメニューを設定。カット、カラー、トリートメントで25%OFFを目処に松竹梅の3段階を設定して、セットメニューへと誘導するようにしました。

これによって、サービスを気に入っている顧客は松を利用、顧客の多くが竹を利用するようになりました。

客単価を上げる施策を、スタッフが口にするできない理由を無くす方向で組み上げて実施してみると、サービス利用が進み、スタッフには、高くてよいものほどお客様がきれいになって喜ばれると、自信が生まれました。
今では高単価メニューをスタッフが自信をもって勧められるようになっています。

現在、ホットペッパービューティに掲載する新規顧客の単価は9500円です。
きれいになりたいお客様の要望に応えられるスタッフが育ち、美意識の高いお客様が来店するという構造を確立しました。

スタッフの待遇を改善したことで、店は明るく、賑やかな雰囲気。楽しいところにお客様は集まります。
以前は、毎日忙しく、疲れてつらい、お客様にいろいろ勧めれば時間も押すので避けたい、安さを求めているお客様には嫌がられるだけという状況だったと馬場さんは振り返ります。

今後は岡崎でいちばん福利厚生のよい店を目指すために、馬場さんは、昨年末(2020年12月)に現場を離れることにしたそうです。

<取材協力>
株式会社Cube(愛知県岡崎市)
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