富山県富山市で美容室Hair & Beauty TipsとHIRO Grand jeteを率いるのは、有限会社ふれあいのひろば2代目の黒田登美子さん。現場叩き上げの美容師であり経営者である母親・弘子さんの要請に応え、美容室経営のバックヤードを担い、美容室の新しい時代を切り拓いています。
弘子さんは1967年に美容室を創業。登美子さんと弟の2人の子どもを女手ひとつで育て上げ、60代に入ってから美容室を3店舗に拡大するなど精力的に活躍してきた叩き上げの美容師です。
登美子さんは、そんな母親の姿を見て育ち、美容師という仕事に尊敬の念を持つようになったそう。しかし、後を継ぐ気持ちはなく、進学で東京へ出ると、大手企業に就職して自身の世界を広げていきました。
一方、弘子さんは、70歳を前に「帰ってこないの？」とたびたび尋ねるようになっていたそうです。拡大した店舗の経営、承継、世代交代をどうしたものか、悩ましい思いでいたのではないでしょうか。
登美子さんは、東京でひと通りの経験を積み、楽しくも多忙なサラリーマン生活を送っていましたが、母のラブコールと自身の自然豊かな地元富山への愛着から、とりあえず一度帰省することにして、富山で再就職しました。
この時30歳、再三「帰ってこないの？」と言っていた母親から「引き止めてくれる、いい男性もいなかったの？」と言われたのを笑い話だと語ってくれました。
母親の切実なヘルプコールに、勤めながら週末だけ給与計算などの事務を手伝うようになったのが最初の関わり。そんな関わりが数年続いたのち、出産を機に勤め先を退社して経営を手伝うことになりました。美容師の資格は持たず、幼い頃から母の後ろ姿を通して現場を見ることはあっても経験したこともないままに経営面を本格的に補佐することになったのです。
＜取材協力＞
Hair & Beauty Tips
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