山形県と宮城県仙台市に美容室15店舗を展開する株式会社志乃屋は、来年(2022年)50周年を迎えます。その2代目社長が押野成人さん。初代の父親をはじめ家族に美容師はいません。まったくの異業種から経営を継ぐために帰郷し、二人のマネージャーに支えられて、生産性と待遇の向上に取り組んでいます。

株式会社志乃屋は昭和47年(1972年)創業。
自動車の整備工から営業に転身して全国表彰されるほどの成績を上げた父親が、資生堂の販売員をしていた母親との結婚を機に、化粧品と高級下着の販売から始めて、成長させてきた企業です。女性の美をテーマにするなかで美容室も開業、一時はフランチャイズを全国展開もしていましたが、時流をみて、美容室の直営に業種を絞ってきました。

押野さんは三人兄弟の末っ子。ひと回り上の兄は医師、姉はOL、自身は東北大学の大学院を卒業し、大手企業で4年間、半導体メモリの研究をしていたというバリバリの理系で、東京で出会って結婚した妻を含め、家族には一人も美容師がいません。

押野さんは、29歳の時に事業を引き継ぐために帰郷。3年ほど足場固めをする際に、理美容経営者の勉強会SPCグローバルにも参加。2016年に父親の右腕として活躍してきたマネージャーが独立するタイミングで、新しいマネージャー2名を昇格して新体制へと移行することになったのだそう。
家族でごはんを食べながら、オープンにビジネスの話をするのが常で、良いタイミングだからという流れだったとか。

創業者の父親は2年前に他界。「社員はもっと報われていいはずだ。もっと報われる方法があるはずだ」という思いで、ふたりのマネージャーを右腕・左腕として、生産性と待遇の向上に邁進しています。

<取材協力>
株式会社志乃屋
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