綱瀬伸子さんは、愛知県春日井市で「アンジェリカ」を経営する美容室オーナー。結婚しても、子どもができても働ける職場としてスタッフが定着し、安定した体制を築いています。
現在は女性スタッフだけの店で、月曜定休(正社員:月2回土日祝休み)、営業時間も9時―17時、待遇改善のために客単価upにも挑んでいます。

1997年の独立から5年は順調に売上を伸ばして、美容室ah!は安定。
その後、売上の壁にぶつかった綱瀬さんは、理美容経営者の勉強会SPC GLOBALのセミナーに参加してみたのだそう。

そこで先輩経営者に衝撃的な指摘をされました。
入社3-4年になる男性社員の売上が伸びないのは、社員のせいだと思っていた綱瀬さんに、初対面の先輩経営者は「オーナーが悪い」と言ったとのこと。
腹が立ち、見返したいとSPC GLOBALに入会。動員、新規集客の方法を聞き、言われたとおりに実行してみると、30-40万円/月だった男性社員の売上が1年目は50-60万円に、2年目には120万円に上がったのです。

もちろん、新規集客にはチラシ、新聞広告、ホットペッパー・ビューティへの掲載など、投資も必要でしたが、スタッフが自信をもったことが大きな成果でした。

これならやれると、2011年に拡大移転。しかし、新たに人も雇用して、資金に余裕がなくなり、当初は苦労したそうです。
それまでのセット面5席の店と違い、綱瀬さん一人で頑張っても8席は回せません。
この現実に直面し、スタッフを頼るようになって、経営者としてのステージを上げました。

移転拡大時に保育室兼着付け部屋を用意するなど、女性が働きやすい環境づくりをしてきた結果、女性スタッフが結婚しても、出産しても、ここで頑張りたいと言ってくれるように。

その女性スタッフは去年、店長に昇格。そんな店長の姿を見て、ママさんスタッフが安心して応募してくる美容室になっています。
求人サイトにも、託児OK、子どもが病気になったときには休むことができると明記。 女性スタッフだけになったのを機に、営業時間を思い切って短縮したのだそうです。

<取材協力>
アンジェリカ(愛知県春日井市)
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