愛知県春日井市で美容室「アンジェリカ」を経営する綱瀬伸子さんは、今年、独立25周年を迎えます。結婚しても出産しても、美容師として、ここで働き続けたいというスタッフの想いを受け止め、営業時間が9時-17時、月曜定休を実施。働きやすい環境を整えることを重視して、安定した体制を築いています。

時代の流れの中で、スタッフの採用が難しくなったことを受けて、フルタイムで働いていた男性スタッフが独立したのを機会と捉え、時短営業に踏み切ったそう。
これによって、ピーク時には年間売上が5000万円あったのに対して、現在は4000万円となったものの、フルタイム・正社員の人件費がかからなくなったことで、利益は確保ができたとのこと。
利益よりも、スタッフの働きがい・働きやすさを優先することで、結果的には数字以外の豊かさを手にすることになったと感じているそうです。

しかし、売上ももちろん大切。営業時間の短縮で、一部の顧客離れはあっても、スタイリストの声かけで日中への誘導にも高確率で成功。
細かな見直しをして、店舗販売に力を入れようと滞在時間中に商品案内をするようにもなりました。

店販に関しては、当初、お客様からスタッフに「売り込みですよね」と指摘を受けることもあったそうですが、次第に「お客様のお手入れが楽になる」提案ができるようになり、商品を気に入ったお客様に喜んでいただけることで、スタッフも自信を得ているそう。

「実は、売り込みになっていたのは、私」と綱瀬さん。
お客様に指摘を受けたと、言いづらいことを言ってくれるスタッフがいるのも、よいスタッフに囲まれていることの証です。

今後もメニュー開発や店販を充実させることで顧客単価を上げていくのが目標。
また、美容室とは別にエステサロンを同じビルの上階にオープンしたいと計画中です。

すでにエステ商品の取り扱いや、カラーの待ち時間に松ヤニ洗顔メニューを提供するなど始めていますが、これをレセプション担当のパートスタッフを中心にエステ部門としてオープン予定。もちろん、パートスタッフも乗り気なので取り組むことにしたのだそうです。

<取材協力>
アンジェリカ(愛知県春日井市)
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