中川佳典さんは、大阪市にある株式会社ハーベンの代表取締役社長。大阪・奈良・兵庫・京都でヘアサロンbraceをメインブランドに22店舗を展開する美容企業を率いています。
前回の記事「8店舗中最下位の店を売上トップに導く」続いて、同年末には誰もができると思わなかった売上を達成した物語を伝えます。現在53歳の中川社長が24歳の頃の体験談です。

当時9時半開店のサロンに、スタッフは自主的に7時半入店。1時間半の練習をしたあと30分で掃除をして、30分で朝食をとる、化粧をするなど思い思いに過ごすという体制が整い、オン・オフのメリハリがつくと、半年で売上は全店舗の上位に入るようになりました。

店長の仕事は環境を作ること。売上が一番であるのは当たり前で、部下が売上をつくれるように導くことの方が大切です。
全店舗の落ちこぼれ集団だった店舗が飛ぶ鳥落とす勢いに、スタッフの自信もつきます。
そこで、店長就任から6ヶ月たった8月、12月の売上目標をさらに高額設定し、発表しました。

店長就任当初、月額の売上が200万円だった店は、4.5月には400万円、6月には500万円を記録。
そこで、12月に700万円の目標を設定したのです。
はじめは「いくらなんでも無理」という反応だったスタッフに、「みんなの力を集結して、作戦・戦略を練ればできる。これまでも、結果を出してきたんだ。信じてやろう」と伝えると、最終的には「やれます!」と回答。その後はスタッフが自主的にミーティングを開いて対策を話し合い、練習もするようになっていきました。

一方、中川さんは部長に700万円の売上を達成したら、美容室が最も多忙な年末年始を休みにするよう談判。そんな数値目標を達成できるわけがないという部長から「了承しました」と一筆もらいました。
そして、スタッフにもその一筆を提示して、「クリスマスまでに目標を達成して、お正月を実家で過ごそう」と宣言し、10月のうちに12月31日の帰郷チケットを取らせたのです。

最下位から最上位へのチャレンジにスタッフはいちがんとなりました。しかし、12月30日の時点で695万円に達したものの5万円が足りないという現実を迎えることになりました。

それより1週間ほど前に、神戸・滋賀が実家の2人を食事に呼び出し、「達成できない可能性も出てきた。万一、達成できなかった場合にも、愛媛・九州の子達は帰郷させたい。31日は3人で営業してほしい」と頼むと「私たちも、もとよりそのつもりでした」と快諾されたそう。
この時点で全店No.1は確実でした。

12月30日、いよいよ5万円が足りないことが確定したところで、「31日は3人で営業するから帰郷しなさい」と伝えると、泣き出す子、チケットをキャンセルすると言い出す子もいましたが、予定どおりに帰郷を指示。ところが翌日の朝、帰郷予定の3人ともがスーツケースを持って、「時間ギリギリまで仕事をさせてください」と入店したのです。
この日、中川さんは朝から仕事にならないほど、感動して泣いたそうです。

<取材協力>
ヘアサロン brace/株式会社ハーベン(大阪府)
http://brace.co.jp/

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