人口20万人ほどの新潟県上越市でヘアサロン「HAIR MORE」3店舗、貸衣装店1店舗、アイラッシュ&ネイルサロン「I’ll eyelash & nail produced by Hair More」1店舗を経営する市村浩徳さん。理美容業で3代目、継ぐ気のなかったサロンに戻ることになったのは、大火がきっかけだったと言います。

市村さんは、祖父母が理容室を開業、父は理容師として後を継ぎ、母が美容を始めたという理美容一家の長男。
両親の代に貸衣装店も始めるなど一家で事業展開していましたが、当初、市村さん自身には継ぐ意志がなく、アメリカの大学に進学しました。

ところが、2年次在籍中に、上越市で大規模な火災があり、店舗はあとかたもなく消失。
父から連絡を受けて帰国し、焼け野原を目の当たりにした市村さんは、家業を継ぐことを受け入れました。
父は息子の決断を受けて、市中に店舗を再建すると有限会社を設立。
市村さんは、高校時代に通信で受講し、卒業と同時に美容師資格は取得していたので、そのままアシスタントとして入社したのでした。

しかし、20代の市村さんにとって美容師になったのはなりゆき。慣れてくるとつまらないと感じるようになったそうです。
辞めたいという想いが強く、併行して学習塾を開いてみたり、家庭教師をしてみたりと、まったく気が入らないまま「辞める」とも言えずに悶々としていた日々。

そんな市村さんに気づきを与えてくれたのは、一生懸命に仕事をするスタッフの姿でした。
30歳になった頃、モノづくりであれ、教育現場であれ、どんな業種でも仕事は、社会の役にたち、自己の成長を促す場という意味では同じだと気づき、美容の仕事に向き合うようになります。

その後は店長も経験して15年前に代表を引き継ぐと、経営者同士の勉強会や交流会にも参加するようになってサロンを3店舗に拡大。
事業展開にチャレンジするようになりました。

<取材協力>
有限会社いちむら/HAIR MORE(新潟県上越市)
https://hair-more.com/

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