梶谷直樹さんは、岡山県倉敷市にあるcut space Healing(ヒーリング)のオーナー。
5年前に37歳で店をオープンして独立、39歳で難病ALSを発症。結婚して家も建て、2人の子どもにも恵まれて順風満帆な中で自由が奪われていく厳しい事態に直面しながらも、妻やスタッフに支えられ、前向きに経営チャレンジを続けています。

ALSと診断された当初は「右手がだるいな」というくらいの感覚で、メインでカットをしていた梶谷さん。発症から3年たった今は、お客さんと話をしたり、スタッフの配置について店長をフォローしたりと経営者として店を見守り、車の中で休んだりもしながら、過ごしているそうです。
治療のための点滴が2週間単位であり、10日間点滴をして2週間休みのローテーション。点滴は半日がかりなので、不在にすることも多いのです。

オープン当初は梶谷さんを含めて3名だったスタッフは、現在、妻も含めて10名に。
週末に4時間だけなどのパートも含めての人数で、少人数で効率よく回すことを目指しています。
スタッフが定着するようなら、客単価を上げる必要があるとのこと。2店舗目を出すには責任者の育成が必要と、闘病しながら、経営にも前向きです。

ユニークなのがスタッフの年齢層の広さ。20代から上は80歳までいます。
80歳の女性は、床屋歴50年でハローワークに求職を繰り返していたとのこと。会ってみると周りの若者に元気を与えるタイプの人で、面白いなと感じて雇用。週末の4時間、シャンプーと顔剃りを担当しています。店で具合が悪くなって病院に連れていったり、家まで車で送ったりすることもありますが、人生の張り合いになるのなら良いと考えています。

ベテラン社員の一人は梶谷さんの父親世代です。修行時代に勤めた全国展開店舗で一緒に働いていた人で、その頃からの飲み友達。
「独立したって聞いたよ。忙しいみたいだね。手伝おうか」と声をかけ、移籍してくれたそう。5〜10分でカットができるので、とても助かっていると梶谷さん。

若い世代から、梶谷さん世代、その親世代まで幅広い年齢層のスタッフを雇用するのも、梶谷さんの当初からの構想とのこと。なるほど、地域に根ざしていきやすそうです。

梶谷さんが日々、自由が奪われていく中で思うのは、身体が動く時にもっと本気になっておけば、よりよい仕組みが作れたのではないかということ。
誰しも、いつか必ず身体は衰えるので、今のうちに全力で取り組んでほしいと、BE-BAR読者にメッセージをくれました。
病気になったら、なったで、病気を理由に逃げようとする自分もいるとも。
昔「できない理由を探すな」と戒められたことを念頭に、何事にも向き合っていると語ってくれました。

<取材協力>
cut space Healingヒーリング(岡山県倉敷市)
https://buff.ly/3APB8AR

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