山形県と宮城県仙台市に美容室15店舗を展開し、来年(2022年)50周年を迎える株式会社志乃屋の代表が押野成人さん。初代の父親も自身も美容師ではなく、経営者として、生産性の向上と社員の待遇向上を進め、躍進しています。

押野さんは、2016年に事業を承継すると、年に1店舗のペースで新店舗を出店、既存店の改修・再構築を実施しながら、再現性・スタイル提案・賞美期限・サービスの4Sの導入などの業態変更に加えて、社員の待遇改善をスタートしました。

GW、お盆、年末年始の休暇設定や連休の定休日を設けたほか、子育て中の社員には、時短勤務を導入し、子どもが小学校中学年くらいに育つまで利用できる体制に。
50代・60代の社員向けには、60歳定年後も再雇用の体制です。

そうした施策の一つとして、1店舗はスタイリストだけの店で、基本単価11,000円に成功。
美意識の高いお客様に、提案型で高い技術、オリジナルのヘルシードリンクなどのサービスを提供し、好評です。
親しい関係を築き上げているお客様とスタッフが、美を追求しながら一緒に年齢を重ねていくことを想定しています。

また、次の新店舗では、アシスタントに依存しないスタイリストだけの体制で、営業時間を17時までとして、月収30万円、子どもを育てながら稼げる店も計画しています。

新人社員向けには、今年(2021年)4月からアカデミーを開設。4ヶ月間、週日は研修、週末は店舗にヘルプで入ることで、新人と店の双方でマッチングを実施し、双方が望む職場で働ける体制にしました。この施策をとったことで、今年採用した新人10人は一人も辞めていないとのこと。

さらに、若手スタイリストの育成を進めるために、カラー特化サロンも計画中。
高校生から30代前半までのお客様向けに、スタイリストも若手を配置するという体制で、高卒や専門学校卒の新人社員の興味関心に応えるものです。

マネージャー2名と力を合わせることで、次々と新しい取り組みを進めている押野さん。
トップが経営に専念している企業の力強さが感じられました。

<取材協力>
株式会社志乃屋
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