大久保潤さんは、熊本県宇土市で美容室Lifebe3店舗を経営。社員で年収500万円、パートで年収400万円をめざせる経営体制を整えています。昨年末(2021年12月)には2名のスタッフに月給40万円を支給することができたそう。そこへ至るには失敗もありました。
幹部スタッフの退社と新卒求人難の時代に入り、大久保さんは現在、他店で育った経験者をパートや社員に採用しています。16名いるスタッフのうち、新卒から育てた社員は3名のみ。育成に力を入れていた時期は、社長の強いリーダーシップが必要でしたが、経験者を採用するようになって経営スタイルが変わってきたとのこと。大久保さんは、それぞれのスタッフが得意とする技術・技能で頑張ってくれればよいという考え方をしています。
パートを主力にしていくために、最初にチャレンジしたのが日曜・祝日を定休日にすることでした。家族の時間がとれるようにと決断したのです。
それまでは、ほぼ年中無休の体制を思い切って変えてみたところ、日曜・祝日利用の顧客が離れて売上は下がる。スタッフからは歩合が減るので「こんなに休みいりません」「売上が上がらなくて困る」、果ては男性社員から「妻が日曜日にパートに出ることに・・・」とまで苦情のあがる事態になったそう。
年中無休に戻し、売上もあがり始めたところで、新型コロナ感染症の蔓延となりました。
今めざしているのは美容師の待遇改善です。
休みの日数や労働時間は20年前に比べると良くなっていますが、所得については厳しい状況。美容師の平均年収は全国平均で300万円台が続いています。
独身の間はまだしも、結婚、出産、マイホームと考えると厳しいのが実情です。
かつては、人件費率は50%を超えると経営が成り立たないとされ、40%以下、35%が理想と言われていました。しかし、これでは美容師が夢をもてない、家族を養うことを考えれば独立するしかないと、大久保さん。
そこで発想を変えて、生産性の高い人に高い給料を払うことにしたのです。
美容師はやりがいをもつことができ、経営的にもメリットがあります。
<取材協力>
Lifebe有限会社シェイクセブン(熊本県宇土市)
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