大久保潤さんは、熊本県宇土市で美容室Lifebe3店舗を経営。社員で年収500万円、パートで年収400万円をめざせる経営体制を整えています。昨年末(2021年12月)には2名のスタッフに月給40万円を支給することができたそう。その経営体制を聞きました。

大久保さんは、生産性の高い美容師に高い報酬を支払うことを考えています。
そうした美容師には、提案力や顧客が魅力を感じる技術、接客力があるとのこと。
自身が培ってきたスキルや得意で勝負し、同世代のお客様と一緒に歳を重ねていければよいという考え方です。

髪質改善などのエイジングケアは、美容師自身も体感していて、お客様の悩みに共感しながら提案する方が響きがよい。20-30代のお客様には関心の高いデザインカラーの新メニューを同世代の美容師が提案する方が入りやすいと見ています。

給与体系はスタッフにも明示。
作業売上65万円未満は還元率30%、または時給で換算し、金額の多い方を支給。
作業売上65万円以上5万円刻みで1%ずつ還元率をUP、
作業売上110万円以上で40%の還元率としているとのこと。

昨年末、40万円超の支給になったスタッフの場合、作業売上105万円を達成したので、還元率は39%となり、409,500円の給与が確定しました。一人は50歳女性のフルタイムに近いパート、一人は34歳の女性店長で、どちらも仕事は早いそう。

売上を基準とすることで、スタッフは同じ収入で時短をめざすことも可能です。
例えば、扶養内で働きたいパートの場合、毎月105,000円を得たいなら、35万円を売り上げればOK。時給1,200円の効率なら87.5時間の勤務、時給1,500円なら70時間で済みます。予約を午前中に集中することで、効率を上げることになり、その後の予約が入っていなければ帰宅できるシステムにしています。
効率を上げられない人は規定の時間給で支払うので、時間いっぱい勤務しなければなりませんが、歩合給なら自由な時間を自身でつくることができるのです。
「時短勤務は最強の福利厚生になる」と、大久保さん。

作業売上が高いほど店に残る利益も大きいので、経営者にとっても利があり、美容師にとっては頑張りがいがある体制です。
店販の還元率も10%としている美容室が多い中で、月の作業売上60万円以上の場合、商品10万円以上で15%、20万円以上で20%、さらにプライベートブランドは30%を設定したキャンペーンにもトライしているとのこと。

今後も新卒採用・育成には関わらず、30歳で結婚もしている経験者を30年雇用していきたいと考えているそうです。

<取材協力>
Lifebe有限会社シェイクセブン(熊本県宇土市)
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