和田島靖史さんは、株式会社ジーマエンタープライズCEOとして、山口県宇部市を中心に、美容室5店舗「QUATTRO」「GRAN TERRACE」「FIRST」「WEST」「QUATTRO annex」を展開。新型コロナ感染症による危機を一転、過去最高売上へと導いた背景には、12-13年前から続けている独自の徹底したCRM戦略(顧客囲い込み戦略)がありました。

宇部市の人口は16万人少々。人口減少の進む地方都市にありながら、ジーマエンタープライズは高級サロンとして、なかなか予約のとれない人気店となっています。
まさに、地域一番店です。

この状況を創り上げているのが、独自のCRM=カスタマーリレーションシップマネージメントとのこと。お得意様を中心にした囲い込み戦略で、お客様と強固な関係を築いています。

年間10万円以上のお客様をVIPとして、さまざまな特典を準備し、お誕生月には、「地元で行列のできる焼肉店」とコラボして独自に創り上げた焼肉セットをクール宅急便でお届けするという徹底ぶりです。
焼肉セットは家族みんなで楽しめるようにと考えた大箱。生ものなので、月初に往復はがきでお祝いメッセージを送り、配送日をお客様が指定できるようにしてあります。
お祝いカードには、焼肉店のシェフの牛肉へのこだわり、社長の感謝のことばを印刷、担当スタッフがさらにひと言書き加えて送っているとのこと。CRMは企業風土として定着しています。
ちなみに年間20-30万円を利用する男性客もいるとのことです。

実は以前は、クリスマスにオリジナルケーキを贈っていましたが、総数が500個を超え、一斉に配送することが困難になったそう。

こうした関係構築の結果、今年(2022年)4月に新店舗をオープンした際には、関係者やお客様からのお祝いの品、アレンジフラワー、スタンド、観葉植物、お菓子などが贈られ、その数は優に100を超え、置き場所に困るほどだったとか。普段も菓子などの差し入れが多いので、店に2つある冷蔵庫のひとつはいただき物専用になっているそうです。

ジーマエンタープライズは、「何屋さんですか?」と聞かれると、「《感動共有人財育成型デザイナーズサロン》です」と答えるとのこと。その意味は、「お客様とスタッフと感動を共有し、人財(人たから)を育成しながら、デザインを発信し続けるデザイナーがいるサロン」とのこと。人財育成に力を入れ、デザイン力を上げるために自社でヘアショーを開催し、コンテストにも積極的に参加しています。

「美容室やサロンはたくさんありますが、こんなサロンはウチだけ。ウチを気に入ってくださる方は、他では手に入れられない価値を求めてご来店くださっていると思います」と、和田島さん。地域密着で、お客様とスタッフに寄り添った、愛されるサロンを創り上げています。

<取材協力>
株式会社ジーマエンタープライズ(山口県宇部市・山陽小野田市・山口市)
http://ys-hair.jp/

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