中川佳典さんは、大阪市にある株式会社ハーベンの代表取締役社長。大阪・奈良・兵庫・京都でヘアサロンbraceをメインブランドに22店舗を展開する美容企業を率いています。
今回は、現在54歳になる中川さんが、24歳で姫路の修業先から戻った直後に体験したチームビルディングの物語を伝えます。
当時のハーベンは8店舗に拡大。人員配置や教育はマネージャーが行っていました。
そのマネージャーが中川さんに与えた課題は、「一番小さな店舗を任せる。売上を納得のいく数字にまで上げられたら店長として認める」というものでした。
配属されたのは、一番小さいだけでなく、一番売上の低い店。各店舗から使えないと回されてきた女の子ばかりで、全員やる気なしといった店舗でしたが、中川さんは、人数がいるので、なんとかなると思ったそう。しかし、スタッフの雰囲気は暗たん。中川さんがお客様対応を終えてレジで精算に立つと、全員の手が止まり、中川さんの手元を見ているといった状況でした。
これは、前の店長が2週間分の売上を持って遁走したという事件があったためで、「社長の息子がやるわけない」とは思わず、「社長の息子だからやるのでは」と、疑心暗鬼に陥っていたことが発覚した衝撃的な状況でした。
中川さんは修業時代に、信用・信頼されるのは自分の態度次第ということを学んでいました。そこで、店長として頼りになることを知ってもらうために、一番最初に店を開け、一番最後に鍵をかけて店を出るといったことからスタート。「レッスンしたい人、勉強したい人には教えるよ」と伝えました。
店を開けると、前日に店で洗ったすべてのタオルを一人で畳み、掃除をするという日々。それが2週間も続くと、1人、同じ時間に入店するスタッフが現れました。
「本当に店長が一人で準備しているのか見にきた」という姿勢でしたが、「見てやるからレッスンしなさい」と言うと、毎朝来るようになりました。
そこで、その子に仕事を振るようにすると、「なんで彼女にだけ?」という不満がくすぶり始めたので、「贔屓はしないが、区別はする。朝レッスンで確実に技術を上げているから、お客様には信頼できるスタッフを当てる」と宣言。冷たい空気が流れましたが、ここでブレてはいけません。その子は夜もレッスンを始め、店長と一緒に行動するようなりました。
それを見ていたスタッフの中から、朝のレッスンや準備に来る子がではじめ、4ヶ月で全員が朝練に参加する姿勢に変わっていきました。半年ほどで夜もレッスンをする姿勢に変わるなか、比例するように売上が上がり、記録を更新、全店舗の店長会議に呼ばれるまでになりました。
与えられた課題を見事にクリアしたのです。
<取材協力>
ヘアサロン brace/株式会社ハーベン(大阪府)
http://brace.co.jp/
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