1964年5月13日、千葉県生まれ。専門学校卒業後は理容室に勤務、店長を勤めるかたわら国際理容協会の講師としても活動。2005年2月『有限会社サンワイズ』設立。夫婦二人で理容室を出店。現在は千葉県内にて『レディースシェービングエステBELLSHAVE(ベルシェーブ)』と『LUCID STYLE plus』の2店舗を運営している。

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ある経営者との出会いが人生を変えた

千葉県四街道市の電気店とレストランを営む両親の元に生まれ、専門学校卒業後は理容室に勤務、店長を勤めるかたわら国際理容協会の講師としても活動。理容師として将来を考えていた折に、『有限会社はやせ 』の早瀬代表と出会ったことで人生が大きく動き出していく。
「以前業界紙で拝見し深く印象に残っていたこともあり、つてのあった知人を通じて早瀬代表に“御社で勉強させて下さい”と思い切ってお願いをしたんです」
快く引き受けてくれたという同社の運営サロンにて“技術者”から白衣を脱ぎ経営を学ぶためのあらゆる指南を受けることとなった。こうして、今までの理容師・講師活動とはまったく違うサロン“経営者”としての新たな道が拓かれた。

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『組織の信用』を借りることでリスク激減。倍速で目標達成を目指せる

その後、早瀬代表の紹介でSPC会員サロンへ移籍し、約8年間店長を経てマネージャーを勤めながら、すでに入会していたオーナーに同行しサロン見学など様々な勉強の場へ参加。多店舗展開のノウハウや教育、事務機能や求人について学んだ後、時代の変化に伴い畳んだ本家の跡地に夫婦で理容室を出店し独立開業を果たした。
「正式な入会は3店舗展開してからと考えていたのですが、実際に業者とやり取りし、SPCのバックボーンがないことで対応がまるで違うことを思い知らされたことがあります。その時、信頼にたる組織の力とその大きさに気付かされましたね。独りよがりでリスクを負うより、はじめから素直に組織の力を借りて自信をつければ、倍の速度で目標達成できるのではないかと考えました。加えて、親身になってくれた先輩経営者の応援もあり正式加入に至りました」
また、以前よりイチスタッフとして勉強会などに参加していたことで、サロン経営についてオーナーとは違う側面から俯瞰で分析するという独自の視点も養うことができたと話した。

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利己的な倫理観から『地域貢献』という社会還元へ

経営者交流を経験したことで、技術者が白衣を脱ぐことの重要性、個人事業を企業化することの意義などを学び、具体的な数字として結果を出すことを意識するようになった。
「技術者の仕事は腕を磨いてお客様と向き合うことですが、経営者はスタッフも含めた周り全体を幸せにしなければなりません。“自分さえ成功すればいい”という利己的な倫理観から“地域貢献”という視野を持って広く社会へ還元していくことが組織の在り方であり哲学ではないでしょうか。こういった意識がグランドデザインにも反映されていくのだと思います」
セミナーで聞く知識よりも、自分の肌で体感することの方が学びは多い。経営者交流は、小手先のテクニックではなく、心を育てる“人間力”が身につく場所でもあるという。
「全国にこれだけ会員が多いと価値観も様々で常に発見があります。そんな経営者同士で叱咤激励をし合える仲間がいることが何よりの切磋琢磨になりますね」
これまで“独立したら3年毎に会社としての成長につながる出店、事務所、寮をもつ”等の目標設定をしてきたという山﨑代表だが、モチベーションを保つためのこのマインドこそが恩師である早瀬代表から最初に教わったことだ。
「もし楽な道と辛い道があるなら、私は辛い道を選ぶ」そうして生きてきたという言葉に感銘を受け、自身もまたどんなときも“挑戦”を選ぶようにしている。取り組みとして“3年ごとに会社を成長させる”といった力強い方針を示した。

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『縁』がつながることで生まれたターニングポイント

サロン1号店は順調に売上を伸ばし、店舗拡大を構想していたある日、さらなる“縁”のつながりが未来を変えるターニングポイントを引き寄せた。
「店舗を探していたら、隣のビルのライバルサロンが撤退することを知り挨拶に伺いました。すると“山﨑さんになら、お店を無償で渡しますよ”とちょうど良いタイミングで譲り受けることになったんです」
こうして1号店は20坪の店舗に拡大移転を果たした。さらに旧1号店は、手荒れに悩んでいた女性スタッフのために『レディースシェービングエステBELLSHAVE(ベルシェーブ)』へと業態変更。なんとこちらも女性スタッフとの縁から偶発的にリニューアルしたサロンが大好評となり、ホームページの求人は予想以上に休眠理容師女子の反響を呼ぶことに。売上も好調で社会保険加入のきっかけとなった。会社は軌道に乗りはじめ、念願の美容室を出店するチャンスを得たところで、ヘアサロン『LUCIDE STYLE plus』を新たにオープン。一般的な“床屋”のイメージを変えるべく、当時関東に少なかった『LUCID STYLE』ブランドに着目しテナント探しに奔走。しかし空きはなく、諦められない胸の内を客に話したところ、またまた偶然にも「知り合いのお店が撤退予定だから紹介するよ」とナイスタイミングで新店舗が決定したのだという。
縁と縁が輪になってつながることで自然とWin-Winな関係が成立し、サロンをはじめとした地域社会全体が幸せになれる空間をつくってきた㈲サンワイズ。山﨑代表は、“いろんな縁がつながって今の自分があります”と語った。

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売上約120%アップ!メンズ特有のケアメニューが大好評

千葉県初のマンダム『LUCIDO STYLE』では、40代女性の悩みに応えるメニューや、男性特有のアイロンメニュー、ケアメニューに力を入れ、好評を得ている。昨今のコロナ禍においても約120%売上がアップ。スタッフの懸命な努力の結果、好調な水準を保っている。
毎年、スタッフが一丸となって作成しているという2022年のスローガンは『お客様のベストパートナー。仲間と共に認め合い、常に成長!向上!!絶好調!!!』だ。目的意識を共有することにより一体感が生まれ、よりいっそう地域を元気にしていけるエネルギーを生み出している。
「事故でケガをし、仕事をすることが困難な時期がありましたが、自分が動けない状態でもスタッフは自主的に目標を設定し挑戦に取り組み、設立した事務所も問題なく回っていて、会社としての成長を実感できました。人と人が関わり助け合いその“縁”を地域全体につないでいく。自分がいなくても自然と動いていくその“人と縁のサイクル”こそが財産であると感じています」
変化を余儀なくされるこの時代に対応すべく、㈲サンワイズは今後もメンズサロン市場の変革と美容室のトータルビューティサロン化へ挑むなど、日々さらなる進化を続けている。

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『美でつなぐ、人に笑顔を』新しい時代に新しい価値観を創造する

㈲サンワイズの新しい経営理念は『美でつなぐ、人に笑顔を』だ。
コロナ禍の影響で加速度的に変化する社会情勢に寄り添った新しい価値観を掲げた。
「美の追求」「新しい価値観の創造」「豊かな未来」をメインコンセプトに、スタッフとは“美しさを追求し新たな価値を生み出します。人と環境を想い笑顔で接します。自らを磨き、仲間とともに高め合い成長します”という理念を共有。
難しい言葉を使わず、誰もが自然と共感できるようなシンプルさを心がけたという。
「理念というのは、ただ掲げているだけでは意味がないんです。自分たちのなかに落とし込んで自然と体現していけるような親しみやすさが、これからの時代に受け入れられやすいのではないでしょうか」
人との“縁”を大切にする㈲サンワイズは、これからも人間の本質を見据えた新しい価値観の創造を続けていくだろう。

山﨑 勇太郎

INTERVIEW DATA

代表
山﨑 勇太郎
創業
2005年2月15日
店舗数
2店舗
スタッフ数
20名
本社所在地
千葉県四街道市鹿渡2002-10 フォーレ901
取材店舗名
LUCIDO STYLE plus
店舗所在地
千葉県四街道市大日357-14